賃貸を借りる際に内見に行き、部屋全体を眺めて「なんとなく、綺麗でオシャレだし良い感じな気がする」と漠然とした気持ちで流されるように申込みをしてしまうのは賃貸のあるあるだと思います。
そして、いざ入居したら「あそこが気に入らない」「ここが不便」「もっと内見の際によく見ておくべきだった」と後悔してしまうのです。

今回は内見する際に、設備や間取りだけではなく、ここを見ておけ!というポイントをご紹介します。

at home 『2022年「住まい探しで見落としがちな物件情報」ランキング』より抜粋

順位項目割合(%)
1コンセントの位置、数62.7
2冷蔵庫の位置と冷蔵庫扉の開く方向36.6
3携帯電話の電波の入り具合34.6
4洗濯機置き場のサイズ32.0
5付帯のエアコンの年数28.9
6ゴミ置き場や駐車場など共用部の状況27.6
7家賃以外の管理費など諸経費26.3
8ドア・階段の有効幅26.2
9家具を設置する場所の寸法23.6
10匂い(換気扇や排水溝など)22.7

上記は有名な賃貸サイト『アットホーム』の2022年のアンケートで作られたランキングで、賃貸を借りる際に見落としがちな内容に関して紹介されています。
1位から5位までは解説付きで詳しく見て見ましょう。

1位 コンセントの位置、数

募集図面や間取り図によって部屋の位置関係等は確認できますが、コンセントの数や位置は確認できません。
内見した際にメモを取っておくと後々家具の配置等に参考になるので、必ずメモを取りましょう。
特にキッチン回りはオーブン、電子レンジ、冷蔵庫、炊飯器、電機ケトルなど、電化製品を多く使う場合があるため、いざ入居してからキッチン回りが全然使えず、オーブンやコーヒーメーカーやケトルを仕方なくリビングに移し利便性が著しく損なわれたりする場合があります。
また、キッチンだけではなく、携帯電話やパソコンの充電、インターネットのルーターなど、普段使いする電子機器等のコンセントはどうするべきかを考えましょう。
特にデスクトップパソコンやルーターのようなほぼ外す事の無い電子機器がある場合、コンセントの数が少なかったり、位置が悪かったりすると、他に使えるコンセントが極端に少なくなり不便になってしまいます。

2位 冷蔵庫の位置と冷蔵庫扉の開く方向

冷蔵庫を置く場合に右に壁が有る場合は左開きの冷蔵庫、左に壁がある場合は右開きの冷蔵庫という風に言われています。
開く側に壁があると大きく開かないため、物を取りづらくなってしまいます。
また観音開きドアの冷蔵庫も壁がすぐ横にある場合に大きく開くことができず、使い勝手が悪くなってしまいます。
どう開く冷蔵庫なのか、壁や棚がどのように横に来るのかを考える必要があります。

また、幅だけでなく、奥行きをしっかりと考えないで購入した結果、引き出すタイプの野菜室や冷凍庫がキッチンダイニングと干渉して全開にならないといったケースもあります。

意外な盲点としてたまに起こるのが、置くスペースのサイズだけ図り、問題ないと思って購入した結果、玄関ドアや、キッチンまでの扉の部分で冷蔵庫が入らないというケースです。
物件入口から置くスペースまでの経路に冷蔵庫が通れない部分が無いか、きちんと測って確認しましょう。

3位 携帯電話の電波の入り具合

通信無制限のスマートフォンを使っていてWi-fi等を使わない場合は電波の入らない物件に入居してしまっては致命的です。
また物件自体に無料Wi-fiが備えてあるので多少電波が悪くてもいいやと考えていたら、Wi-Fiでは通話やSMSが使えなかったり、、そもそもWi-Fi自体がが遅いという場合もあります。
内見の際は電波の入り具合を必ず確認する必要があります。
鉄筋コンクリート造であったり、周りが大きい物件に囲われていたりする場合は要注意です。
インターネット無料物件でWi-Fiが導入されている場合であっても、まったく使えない場合もあるので、導入されているサービス内容やプランを確認し、評判や口コミを見て見ましょう。

4位 洗濯機置き場のサイズ

引っ越し先で心機一転最新式の洗濯機に変えよう、ドラム式洗濯機にしてみようと思って購入したものの、物件に備え付けてある洗濯機置き場にサイズが合わない、繋げられないという事はよくある事です。
洗濯機置き場は壁に囲われていたりする場合多いため、あまり大きい洗濯機が入らなかったり、単身向けの小さな洗濯機用の盤が取り付けられているため全くサイズが合わなかったりという事があります。
また給水口の位置と洗濯機の高さが全く合わない場合もあるため、給水口の高さも測りましょう。
洗濯盤のサイズとこれから買う洗濯機のサイズをきちんと確認し、写真等を取って洗濯機を買う家電量販店等に相談するのが一番良いでしょう。

5位 付帯のエアコンの年数

あまりに古いエアコンがついていたりすると、効きが悪かったり、冷えるまで時間がかかったりします。
また、最新のエアコンに備わっているような自動運転機能や自動掃除昨日が付いていなかったり、電気代が高かったりします。

内見時にエアコンの年数が古く、入居前に変えて欲しいと打診した場合、基本的には故障するまでオーナーにエアコンを変える義務は無いため断られる事が多くなります。
耐用年数10年で、丁度10年経っているので交換して欲しいと申し出ても変えて貰える事はないでしょう。
20年弱経っているような場合は流石に変えて貰える場合があるので、ダメ元で打診してみるのも良いかもしれません。

またエアコンが付いている場合でも募集図面の設備情報にエアコンの記載がないと「残置物」の可能性があります。
『残置物』とはその名の通り前の入居者が残していった物という事です、
設備ではないため、使うのも撤去するのも自由ですが、故障したとしても設備ではないため、修理も交換もオーナー様にお願いする事はできず、自分で修理費用を負担してり、買い替えたりする必要があります。
部屋にエアコンがついているのでエアコンが設備だと早とちりしてしまう方がいますが。
本当にエアコンが設備なのか、きちんと募集条件を確認しましょう。

5位以下の内容をさっくり解説

6位7位は見ての通りそのままなの解説する事はありません。

8位 ドア・階段の有効幅
9位 家具を設置する場所の寸法

どちらも家具を置く場所と搬入経路の確認のために必要になるものです。
2位の冷蔵庫や4位の洗濯機でも解説した通り、引っ越しの際はいざ運んできても設置できない、そもそもサイズが大きすぎて部屋に運び込む事ができない、といった事が起こりがちなので。
ベッド、棚・タンス、冷蔵庫、洗濯機などがきちんと室内に収まるのか、そもそも室内に運び込む事ができるのかきちんと確認しましょう。

10位 匂い(換気扇や排水溝など)
排水溝の匂いはそもそも空室期間が長い場合は封水(下水からの匂いを閉じ込めるための水)か枯れあがって匂いが上がってきている場合があるため、内見時に下水の匂いがするからといって住みだした後も匂うかはわかりません。
万が一引っ越し後も匂う場合は防臭パッキンの修繕等をオーナーが行ってくれる事が多いので、あまり気にする必要はないでしょう。

ランキングに載っていない、意外な注意点

アンペア数


少し古い物件の場合ブレーカーに記載されているアンペア数が小さい場合があります。

例えば20Aのブレーカーが付いている場合。
冷蔵庫は常に2.5Aを使っています
夏の場合は常にエアコンをつけるでしょう、
エアコンは6~7Aのためこれで既に9.5アンペアは常に使われています。

テレビ(2A)・掃除機(10A)・電子レンジ(10A)・ドライヤー(12A)
高性能PC(6.5~7.5A)ドラム式洗濯機乾燥時(13A)程度と考えると

パソコンで動画を見ながら、ごはんを食べようと電子レンジを使った場合、

電子レンジで牛乳を温めながらドライヤーを使った場合

洗濯しながらテレビを見ていて、洗濯→乾燥になった場合

ブレーカーが落ちてしまいます。

アンペア数は基本的に電力会社に契約内容変更の手続きをすれば簡単に容量を上げて貰えますが。
物件の設備状況によっては電線を新たに増設したりと大掛かりな工事が必要になり、入居者負担で5~10万円の工事が必要になる場合があります。
万が一そういった事が無いように最初から30A以上の物件に住むか、申込前に簡単にアンペアを上げられるか確認を取った方が良いでしょう。

洗濯機置き場にエルボがついているかどうか

洗濯機置き場には基本的にエルボと呼ばれるL字型のパイプがついています。
これは設備になりますが、稀に前の入居者が引っ越しの時に持って行ってしまい、それに大家様や不動産屋が気づかずにいる場合があります。

引っ越し後に洗濯機を運び込んでもらい、設置してもらおうと思ったら業者に「エルボがないので設置できません、作業は中止にして我々は帰ります」と言われてしまうなんて事がままあります。
もし、申込しようと思っている物件であれば内見時にエルボがきちんとついているかどうか確認し、もしついていなければ不動産屋に確認しましょう。

物件周辺の注意点

大きな道路

大きな道路に面していたり、高速道路などがすぐ近くにある場合、大型車やバイクの音、暴走族が深夜に走る音等が気になって寝れない可能性があります

子供が沢山いる施設

学校、幼稚園、公園、などの子供が沢山いる施設の周辺はどうしても甲高い叫び声、笑い声、大声が四六時中鳴り響きます。夜勤等で昼に寝ないといけない方や、日中もお部屋で過ごす高齢者の方は音が気になってしまう場合があります。

線路の近く

電車がすぐ近くを通る場合 基本的に朝の4時頃~深夜1頃まで列車の音が鳴り響きます。
人間は慣れる生き物なのですぐに気にならなくなるという話や、耳栓やノイズキャンセリングイヤホンで対策てきるという話も聞きますが、繊細な方は寝る時間がかなり限られてしまうため、避けた方が良いでしょう。

病院、消防署、警察署

病院、消防署、警察署の通り道や近くに住む場合は日中はともかく、深夜もサイレンの音が鳴り響くので、夜間に起こされる場合があります。(法令によりサイレンを鳴らす事が義務付けられているためどんなに道が空いている深夜でもサイレンが鳴り響きます。)

墓地の隣

墓地の隣の物件は家賃が安かったり静かな事が多く良い部分も多いですが、気味だったり、一人暮らしだと何もない所に視線や気配を感じる気がしたりと、気になってしまう方もいるようです。
心霊的なものを一切気にしないと思ってみても、いざ住んでみたら不気味で夜も眠れないという方もいるようで引っ越し代が無駄になってしまいます。
余程メンタルに自信がある場合を除いてお墓の横などの物件は避けた方がいいでしょう。

また、夜間の街灯が少なく、帰宅する際は女性などは不安になる事が多いようです。
他にも、線香の匂いが洗濯物についたり、お供え物を狙うカラス等が頻繁に飛び回っていたり、
花、木、墓石に貯まった水、お供え用の花を挿す水鉢などから、蚊・羽虫・カタツムリ、なめくじ等の虫が発生し洗濯物についたりする場合があるようです。


まとめ

住めば都とは言いますが、持ち家ではなく賃貸を借りる以上は立地も設備も基本的に変えることはできません。
転居する際の費用は『契約の初期費用』に『引っ越し代』に、『新しい家具』を買ったりと2桁万円以上が基本です。
頻繁に転居するわけにはいきません。
コンセントの位置が少なかったり不便だったりすると家電製品やPCの位置が固定されて、当初思っていた家具の配置にできなかったりします。
また、駐輪場や駐車場が無くて休みの日にどこにもいけない場合があったりと、
適当に物件を決めてしまうと思わぬ落とし穴に嵌る場合があります。


遠方からの急な転勤や、上京する学生の場合、なんとなくの場所と賃料と設備で決めてしまいがちですが、
きちんと内見して本当にこの場所に何年も住めるのか、どんな生活になるのか、想像しながらよく吟味した方がいいでしょう。

もし、市川周辺の賃貸物件の内覧やご案内の相談がある場合は南口不動産八幡店へぜひご連絡下さい

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