NHKおはよう日本にて、分譲マンションの高齢化や孤独死による遺品の放置。
また、その対応費用がマンション維持管理費として他の入居者に重くのしかかっている現状について取り上げられていました。

中古の分譲マンションを購入し、賃貸として貸し出す際には大きなリスクがある

例えば中古の分譲マンションを購入し、賃貸で貸し出していた場合、立地や内装が良く、すぐに入居者が決まればよいのですが、永遠に決まらない場合は管理組合に支払う維持管理費を赤字として支払い続ける事になります。
また、万が一入居者が決まっても、築年数が古くなるほど募集で出せる賃料は安くなっていくのに、修繕積立金や維持管理費が高くなっていきます。そこに固定資産税も上乗せされ 
管理会社を設定していた場合は管理費を差し引かれます。

古い建物ほど設備や配管の劣化による水漏れ、破損、建て付けの歪みなどが発生し、故障の頻度が増え、修繕費用もかかります。

分譲物件の孤独死が増え、維持管理費も高騰

NHKで取り上げられていた分譲マンションの孤独死ですが、少子高齢化に伴い増加の傾向にあります。
賃貸の場合は、お部屋で亡くなった方がいた場合はオーナーや管理会社がその後の部屋の清掃や修繕を行いますが、分譲の場合は家族や相続人を探すところから始まります。
分譲マンションに価値があれば売却した金額で利益がでるため、相続をしてくれる方もいますが、面倒な事に関わりたくない、相続人に多額の借金があるなどで相続放棄される事は往々にしてあることです。
その場合建物の維持保存のため特殊清掃のみを管理組合のお金から捻出して行うのですが、
荷物の撤去費用、修繕費用をだれも出してくれなくなります。

法律上、家財を勝手に処分することができないため遺品部屋として放置される事もあります。
高額な費用を支払って管財人を選定すれば遺品を処分して部屋をきれいにできますが、管理組合の積立金などから費用を捻出できずに何年も放置されるケースが増えているそうです。
その結果入居者は減るのに、新しく増えることは無く、空室ばかり増えて他の入居者に維持費に負担が行くことになります。

建て替えが発生した場合には一人当たり数千万の費用負担が発生

もし老朽化が進み、本格的に物件が住めなくなった場合は通常は取り壊して建て替えになります。
しかし、平成30年の段階で分譲マンションは約650万戸あるといわれていますが、老朽化マンションを取り壊して建て替えできたマンションは278戸しか例がなく、全体の0.2%ほどとなるそうです。

殆どのマンションの入居者は一人当たり数千万円の高額な建て替え費用を負担する事はできず、建て替え不能になり。
ただ上がり続ける修繕積立金で老朽部分を騙し騙し直していく事になります。
また、売却して他の場所に移り住もうにも価値が下がって売却することも難しくなり、資産価値は無くなり税金だけがかかっていく事になります。

中古マンションは新築マンションより圧倒的に安いがリスクも高いため、慎重に検討が必要

中古マンションは設備の不具合、建物の老朽化、入居者の減少による修繕積立金の不足、建て替え不可能なケースなど様々な問題が発生する可能性があるので、購入の際は建物や室内を徹底的に調べて、購入しても問題ないかをを調べる必要があります。
立地、築年数、建物内の環境などをよく見て買った後に後悔しないようにしましょう。