賃貸物件にお申込みをした際に募集図面には鍵交換費用〇万円と記載されている事が多いですが、
基本的には鍵を交換するか、またはその鍵をどの種類にするかを任意で選ぶことができます。(鍵交換が必須だったり、最初から種類が決められている場合もあります)
カードキーや電子ロックの場合は鍵交換不要な場合もあります。

では、賃貸の鍵は何がどう違うのかご紹介します。

鍵の種類と特徴

種別防犯性鍵交換費用
ディスクシリンダーキー×廃版
U9(ユーナイン)10,000円~20,000円
ディンプルキー15,000円~25,000円
ピンシリンダー錠△~〇10,000円~20,000円

ディスクシリンダーキー

一昔前に最も普及していた鍵になります。
鍵がくの字型に盛り上がっており、両サイドがギザギザしています。


ピッキングに弱く、1990年代後半にこの鍵を使用している家の多くが空き巣の標的にされ、廃版となりました。
古い家や古いアパートだと交換されずに使われている場合があります。

ロータリーディスクシリンダーキー(U9:ユーナイン)

現在、最も普及している鍵で10000~20000円程度で交換可能になります。
ディスクシリンダーキーと似ていますがピッキング対策の加工がシリンダー側に施されています。


ディスクシリンダーキー ロータリーディスクシリンダーキーの見分け方

基本的は鍵ではなくシリンダー側で見分ける形になります。

鍵穴が縦でくの字を反転させ上下に線を足したような形ならディスクシリンダー
鍵穴が横でWのような形ならロータリーディスクシリンダーとなります。
稀にロータリーディスクシリンダーでも縦に取り付けられている場合がありますが、その場合はMIWAのロゴが上に無く、横向きになります。
内見時に確認して、もしディスクシリンダーであれば鍵交換をした方が良いでしょう。

鍵の方では頭が四角いか少し丸いかで見分ける事ができます。


ピンシリンダー錠

片側にのみギザギザのある鍵です。
シリンダーの中にピ4~7本のピンが入っており、これが鍵が回る事を防いでいますが、鍵を指し込んでピンが決められた高さに揃うと鍵を回して開錠できる仕組みです。
エジプト文明の時から使われている古典的な鍵の仕組みになります。
単純な仕組みなのでヘアピンなどでもコツを掴めば簡単に開錠できます。
しかし、近年ではシリンダー側にアンチピッキングピンという特殊なピンを使用し防犯性能を高めたものもあるのでピンシリンダー=防犯性が低いというわけではなくなってきています。

ディンプルキー

近年最も注目されている防犯性能の高い鍵です
左右にギザギザはなく、表面に丸い窪みがぽこぽこと空いているのが特徴です、
複製もピッキングも難易度が高く、高い防犯性能を持っているため近年では人気の鍵になります。
上記で紹介したピンシリンダーが上に並んだ一列のピンが一定の高さに揃えば開錠できるのに対し、
ディンプルキーは上下左右にピンが並んでおり、全ての位置が一致しなければ鍵を回して開錠することができません。そのためピッキングの難易度が非常に高く、鍵の形も特殊なので複製も難しくなります。

シャーロック 

賃貸に特化した形式の鍵で、不規則に穴の開いた本の栞くらいのカード型の鍵です。
シリンダー部分は、そのカードに対応した穴の開いたサブカードが入っており、そこにカードを挿し込む事で鍵が開きます。
穴が完全に一致しなければ開錠できません。
このサブカードと開錠用の本体カードのセットを管理会社はいくつか保管しており、入居者が変わるごとにカードを入れ替えるだけで簡単に交換が可能なのでいつでも鍵交換が行えます。



電子キー 

暗証番号式

テンキーのついたパネルが玄関ドアについており、自分で暗証番号を設定して開錠する形になります。
鍵をなくす心配がありません、自動でロックがかかるため鍵の閉め忘れもありません、鍵穴がないためピッキングもできません。

暗証番号が見破られた瞬間に容易く侵入されてしまいます。汚れ具合や指紋から4桁を特定されたり、後ろからこっそり指の動きを見ていたりといったケースがあるようです。
オートロックの無い物件の玄関ドアがこれの場合は要注意でしょう。

電池切れで開かなくなったりする場合があるので電池残量に気を付ける必要があります。
また、建物から給電している場合は停電で開かなくなる場合があります。

カードキー 

タッチ式のカードキーです、こちらを採用している物件は最新の設備を備えた綺麗な物件が多く、家賃等もやや高い傾向にあります。
パネルにカードをタッチするだけなので、開錠・施錠がしやすく、買い物帰りなどで手がふさがっている時でも扉を開けやすいメリットがあります。

財布に入れられるので持ち運びが簡単かつ失くしにくく、鍵にチェーンを下げていたらいつの間にかチェーンが切れていて鍵を落としたといった事もありません。

しかし、カードキーを落とすと再発行に時間がかかる場合があったり、ゴミ出しやちょっとした用事でカードを持ち忘れて外出すると締め出されて戻れなくなるといったようなミスが起こりがちなので、部屋から出る際はどんな些細な用事であってもカードキーを持つ癖をつける必要があります。

物件を申し込んだ際の鍵交換はどうしたらよいのか

物件を申し込むと特殊な鍵以外は鍵交換を希望するかどうかを管理会社に聞かれます。
鍵交換を希望しない場合は前の入居者から引き継いだ鍵をそのまま使用する事になりますが、もし前の入居者が鍵を無断で複製していたり、無断で複製した鍵を物件名や号室がわかる状態で紛失した場合は世界のどこかに自分の部屋を簡単に開けられる鍵が存在しているという事になります。
そんな事が起こる可能性は限りなく低いですが精神的にも防犯的にも良くはないので、鍵は新しいものに変える入居者様が多くなります。
管理会社側でも鍵交換をおすすめしております。
そして何年間と使うものですので、数千円を惜しんでピッキングされるくらいなら現状ではかなりの防犯率を誇るディンプルキーに変更した方がよいと思います。
近年では都心を中心に空き巣被害も増えていますので用心するに越したことはありません。
そして鍵だけでなく物件の所在地や設備等からも空き巣の被害に遭いやすいか遭いにくいかも判断できますので、利便性や築年数、防犯性を総合的に見て物件を選ぶようにしましょう。

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